今日は、令和3年度 第19問について解説します。

令和3年度賃貸不動産経営管理士試験 第19

換気設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

① 自然換気は、室内と室外の温度差による対流や風圧等の自然条件を利用した方式である。

 

② 給気・排気ともに機械換気とする方式は、機械室、電気室等に採用される。

 

③ 給気のみ機械換気とする方式は、室内が負圧になるため、他の部屋へ汚染空気が入らない。

 

④ 新築建物は、ごく一部の例外を除いて、シックハウスの原因となる揮発性有機化合物の除去対策として24時間稼働する機械換気設備の設置が義務づけられている。

 

 

解説

換気設備に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。


 

選択肢①

自然換気は、室内と室外の温度差による対流や風圧等の自然条件を利用した方式である。

 

〇適切です。

自然換気方式ついて、まとめシートでは以下の通り解説しています。

室内と屋外の温度差による対流や風圧などの自然の条件を利用する換気が自然換気です。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

自然の条件を利用するので、換気のための機械は不要で、騒音がなく経済的なのがメリットです。ただし、いつでも安定した換気量が確保できるとは限らないというのがデメリットですね。


 

選択肢②

給気・排気ともに機械換気とする方式は、機械室、電気室等に採用される。

 

〇適切です。

給気も排気も機械で換気する方式は、第1種換気です。

第1種換気について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

第1種換気は、機械室や電気室などに採用されます。

よってこの選択肢は適切です。

近年では環境保護の観点から、建築分野でも省エネ性能の向上を図る取り組みが進んでいますが、換気をする際に外気の温度を室内の温度に近い状態に熱交換して空気を入れ替える「熱交換型換気システム」は、冷暖房負荷を軽減できるため省エネ性能が高いといえますね。

熱交換型換気システムに用いる熱交換型換気設備は、給気・排気ともに機械を用いた設備ですので、第1種換気に分類されます。


 

選択肢③

給気のみ機械換気とする方式は、室内が負圧になるため、他の部屋へ汚染空気が入らない

 

×不適切です。

給気のみ機械で換気する方式は、第2種換気です。

第2種換気について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

第2種換気は、機械により室内に清浄な空気を供給し、室内は正圧となります。手術室や製造工場などに採用されます。

つまり、給気のみ機械換気とする方式は、室内が負圧になるため、室内に清浄な空気を供給することができます。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

選択肢④

新築建物は、ごく一部の例外を除いて、シックハウスの原因となる揮発性有機化合物の除去対策として24時間稼働する機械換気設備の設置が義務づけられている。

 

〇適切です。

シックハウス症候群の原因は、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(トルエン、キシレン等)であると考えられています。これらは家具などからも発散される可能性があるため、原則として居室を有する全ての建築物には24時間換気設備を設けることとされています。

よってこの選択肢は適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢④となります。

 

シックハウスや換気に関する問題は例年出題されています。

ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。

 

★関連解説★

換気設備(R5年 第14問)

シックハウス(R4年 第15問)

 

 

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